男性の更年期障害の症状と治し方!何科を受診すべきか解説

男性の更年期障害の症状と治し方!何科を受診すべきか解説

40代後半を過ぎてから、疲れが取れない、気分が落ち込みやすい、性欲が湧かないといった状態が続いている場合、加齢のせいと見過ごしている変化が男性更年期障害(LOH症候群)のサインであることがあります。

男性の更年期障害は心身と性機能に症状が出るもので、女性の更年期とは異なり、長期間続くことがあげられます。
心身と性機能に出る症状、AMSスコアでのセルフチェック方法、治療の選択肢を知ることで、自分の状態が更年期障害によるものか、どこに相談すればいいかを判断できるようになります。

男性の更年期障害は心身と性機能に症状が出る

更年期障害の男性の主な症状

男性の更年期障害では、体だけでなく心や性機能にもさまざまな変化が現れます。

一つひとつは疲れやストレスのせいと見過ごされやすく、更年期障害だと気づかないまま過ごしまうリスクもあります。
心身と性機能に分けて、代表的な症状を解説します。

男性更年期障害で心身と性機能に出る主な症状

  • 精神:気分の落ち込み、意欲低下、イライラ
  • 体:ほてり、発汗、疲労感、関節や筋肉の痛み
  • 性機能:性欲減退、勃起の悩み

気分の落ち込みや意欲低下が続く精神症状

男性ホルモンの分泌量が減ると脳内の神経伝達にも影響が及び、気分の落ち込みや不安を感じやすくなります。
以前は楽しめていた趣味や仕事への意欲が湧かず、何をするにも億劫に感じる状態が続きます。

精神症状はうつ病の症状と重なる部分が多く、心療内科や精神科を受診しても男性ホルモンの検査が行われないまま経過するケースがあります。男性ホルモンの血液検査を併せて受けると、うつ病か更年期障害かを見分けやすくなります。

イライラしやすくなる、集中力が続かないといった変化も精神症状の一つです。
これらの症状はうつ病と間違われやすく、自己判断で片付けず専門医に相談してください。

ほてりや疲労感が現れる体の症状

男性ホルモンには血管や自律神経の働きを整える役割があり、分泌量が減ると全身にさまざまな不調が出やすくなります。
顔や上半身がほてる、大量の汗をかくといった、女性の更年期障害と似た症状が現れることもあります。

ほてりや発汗は、女性の更年期障害でみられるホットフラッシュと似た仕組みで起こります。男性ホルモンの急激な低下が、自律神経の体温調節機能を乱すためです。

疲労感が抜けない、関節や筋肉の痛みを感じるといった症状も報告されています。これらの体調不良は健康診断の一般的な項目には現れにくく、原因がわからないまま様子を見ている人もいます。
心当たりのある症状が重なっている場合は、男性ホルモンの影響も考えてみてください。

性欲減退や勃起の悩みが強まる性機能症状

テストステロンは性欲や勃起機能を維持するホルモンでもあるため、分泌量の低下は性機能にも直接影響します。
性行為への関心が薄れる、勃起が起こりにくくなるといった変化が、更年期障害の代表的な症状として知られています。

テストステロンは性欲だけでなく、陰茎の血管内皮機能や神経の感受性にも関わっているため、分泌量が低下すると性的な刺激そのものを感じにくくなることもあります。

性機能の症状は本人が自覚しやすい一方、恥ずかしさから相談をためらう人もいます
性欲の減退や勃起の悩みが続く場合、ED治療薬による対処も検討できます。

男性の更年期障害は発症年齢に幅があり女性より長く続く

更年期障害の男性の発症と期間

男性の更年期障害がいつ頃発症するのか、女性の更年期とどう違うのかを知っておくと、自分の状態を客観的に見ることができます。
男性ホルモンの低下は緩やかに進むため、症状が出る時期や重さには個人差があります。
発症年齢の目安と、女性の更年期との違いを確認していきましょう。

40代後半から増え始め発症年齢に幅がある

男性ホルモンの分泌量は20代をピークに緩やかに低下し、40代後半から更年期障害の症状を訴える人が増えてきます。
ただし低下のスピードには個人差が大きく、30代で症状が出る人もいれば、60代になっても目立った変化がない人もいます。
生活習慣やストレスの影響を強く受けている場合、年齢に関わらず症状が早く現れることもあります。

発症年齢に幅があるため、若いからと更年期障害ではないと決めつけず、気になる症状が続く場合は、年齢を理由に様子を見過ぎないようにしてください。

女性の更年期と異なり数年単位で長引く場合がある

女性の更年期障害は閉経を境に数年でおさまるのに対し、男性の更年期障害は明確な終わりの時期がなく、数年から10年以上かけてゆるやかに回復に向かうこともあります
女性は卵巣機能の低下によって比較的短期間でホルモンが減少するのに対し、男性ホルモンの低下は緩やかに進むため、症状も長期化しやすいという違いがあります。

症状が長引くほど、仕事や人間関係への影響も蓄積しやすくなるため、自然な回復を待つだけでは負担が大きくなります。
AMSスコアで現在の状態を数値として確認しておくと、受診を決めやすくなります。

テストステロンが少ない原因と生活習慣の関係を解説

男性ホルモンがどのような原因で低下するのか、生活習慣との関係を詳しく知りたい方は、加齢・睡眠・運動・ストレスといった原因別に解説しているこちらの記事を参考にしてください。

原因を具体的に知ると、生活習慣の見直しから始めるか、医療機関での検査を優先するかを決めやすくなります。

男性の更年期障害はAMSスコアでセルフチェックできる

男性の更年期障害はAMSスコアでセルフチェック

自分の症状が更年期障害によるものかどうかは、国際的に使われている問診票で確認できます。

AMSスコア(Aging Males’ Symptoms Scale)と呼ばれるこの問診票は、17項目の質問に答えるだけで重症度の目安がわかります。
質問項目と点数の出し方、目安となるラインを確認してください。

AMSスコアの質問項目と点数の出し方

AMSスコアは、心理的症状・身体的症状・性機能症状の3分野、合計17項目の質問で構成されています。
各質問に対して症状なしから非常に重いまでの5段階で回答し、それぞれ1点から5点で採点します。

AMSスコアで確認する更年期障害の主な質問項目

  • 総合的に調子が思わしくない
  • 関節や筋肉の痛みがある
  • ひどく汗をかく
  • よく眠れない
  • すぐ眠くなり疲れやすい
  • 怒りっぽくなった
  • 神経質になった
  • 不安を感じる
  • 肉体的な疲労を感じる
  • 筋力の低下を感じる
  • 憂うつな気分になる
  • 人生の山を越えたと感じる
  • 力尽きた、どん底にいると感じる
  • ひげの伸びが遅くなった
  • 性的能力の衰えを感じる
  • 朝の勃起回数が減った
  • 性欲の低下を感じる

17項目の合計点数が高いほど、更年期障害の症状が重い状態を示します。
医療機関でも診断の参考資料として使用されている問診票です。まずは自分で各項目に点数をつけ、合計を出すところから始めてみましょう。

点数の目安と受診を考えるライン

AMSスコアの合計点数は、下表の4段階が目安とされています。
中等度以上の点数が出た場合、男性更年期外来や泌尿器科への相談を検討する目安になります。

更年期障害のAMSスコア点数区分
合計点数 目安
26点以下 ほぼ症状なし
27〜36点 軽度
37〜49点 中等度
50点以上 重度

点数だけで確定診断はできず、実際の診断には血液検査によるホルモン値の測定が必要です。
気になる点数が出た場合は、泌尿器科や男性更年期外来で詳しい検査を受けてみてください。

男性の更年期障害の治し方!泌尿器科でのホルモン補充も受けられる

男性の更年期障害の治し方と受診先

男性の更年期障害は、何科を受診すればいいか迷いやすい病気です。
症状の重さや内容によって適した診療科が変わるため、事前に受診先の候補を知っておくと迷わず相談できます。
受診先の選び方と、代表的な治療の選択肢を紹介します。

男性更年期障害の治療の選択肢

  • ホルモン補充療法:注射・軟膏・貼り薬で男性ホルモンを補う
  • 漢方薬:体への負担が少なく体質を整える

男性更年期外来や泌尿器科が主な受診先

男性更年期障害を専門的に診療しているのは、泌尿器科や男性更年期外来(メンズヘルス外来)です。
専門外来がない地域では、内科や心療内科でも相談を受け付けている場合があります。

心理的な症状が中心の場合は心療内科、身体的な症状が中心の場合は泌尿器科や内科など、症状の出方によって最初の受診先を選ぶこともできます。専門外来がある場合は、症状の種類を問わず総合的に相談できます。

症状が強い、または長期間続く場合は、まず泌尿器科を受診すると診断への流れがつかみやすくなります。
血液検査でテストステロン値を測定し、他の病気が隠れていないかも確認できます。

男性の更年期障害はEDの症状とも関係が深く、同様に早めの受診が症状の改善につながります。
EDの治療について何科を受診するべきか知りたい方は、こちらの記事で解説しています。

ホルモン補充療法が治療の中心になる

血液検査でテストステロン値の低下が確認された場合、治療の中心となるのがホルモン補充療法(TRT)です。
健康保険が適用されない自由診療にあたり、注射や軟膏、貼り薬など複数の投与方法があります。

注射は通院のたびに投与量を医師が管理できる方法です。軟膏やジェルは自分で毎日塗布するため通院の頻度を減らせますが、皮膚から吸収する量に個人差が出やすいという違いもあります。

2〜4週間に1回の注射での投与が一般的で、数か月単位で効果を確認しながら継続します。
前立腺がんなど一部の病気がある場合は使用できないため、事前の検査が欠かせません。

漢方薬など体への負担が少ない治療法もある

ホルモン補充療法に抵抗がある場合や、症状が比較的軽い場合には、漢方薬による治療方法になることもあります。
体への負担が少なく、精神症状や自律神経の乱れに対して処方されるケースが多い治療法です。

精神症状には柴胡加竜骨牡蛎湯、冷えやほてりには八味地黄丸など、症状のタイプに応じて処方される漢方薬が異なります。体質や症状の組み合わせによって、医師が適した選択をします。

更年期障害の症状タイプ別に処方される主な漢方薬
症状タイプ 処方される漢方薬
精神症状(気分の落ち込み・不安等) 柴胡加竜骨牡蛎湯
冷え・ほてり 八味地黄丸

効果の現れ方には個人差があり、数週間から数か月かけて体質を整えていく治療のため、即効性を求める場合には向きません。
医師と相談しながら、自分の症状や生活に合った治療法を選んでください。

男性の更年期障害を疑ったら早めに専門外来へ相談する

男性の更年期障害を疑ったら、まずAMSスコアで自分の状態をセルフチェックしてください。

点数が高ければ、性機能の症状も含めて早めに泌尿器科や男性更年期外来へ相談することで、症状の長期化を防げます。
ホルモン補充療法や漢方薬など治療の選択肢は複数あるため、症状の重さや体質に合わせて医師と一緒に選んで治療を始めましょう。

男性更年期障害はED治療薬も有効!オンライン診療で購入できる

男性更年期障害では、ホルモン補充療法や漢方薬による体質改善だけでなく、性機能の症状そのものに直接働きかける治療薬を使う方法もあります。
年齢を重ねてから勃起しにくくなったと感じている場合、まずはED治療薬を試してみることもおすすめです。

自宅で完結するオンライン診療でED治療薬を購入することができるため、忙しい方や通院に抵抗がある方は、以下の記事も参考にしてみてください。