EDになる原因と対策!治るきっかけとなりやすい人からわかる改善方法

EDになる原因と対策!治るきっかけとなりやすい人からわかる改善方法

EDを発症する原因や年代別の特徴、なりやすい人の共通点、そして治るきっかけまで解説します。

EDは主に以下の4つの原因から発症することが多いです。

  • 器質的(身体的)要因・・・持病やホルモンバランスの異常など
  • 心因的要因・・・プレッシャー・ストレス・トラウマなどが原因
  • 薬剤的要因・・・服用している薬剤が原因
  • 複合的な要因・・・身体的+メンタル面が原因

EDには様々な原因が存在し、適切な対処法を知ることで改善できる可能性が高いです。
まずは自身のEDはなにが原因で起きているのか、その場合どのような行動や対策をすれば治るきっかけになるのかについてわかりやすく解説します。

EDになる4つの原因やメカニズムについて

EDは「性行為を満足に行うための十分な勃起が得られない、または、維持できない状態」と医学的に定義されています。
勃起のメカニズムは複雑で、脳からの信号、神経系の伝達、血管の拡張、そして心理的要素が絡み合って起こります。

正常な勃起のメカニズム

  1. 性的な刺激が視覚や聴覚から加わる
  2. 神経を伝って脳から陰茎に「勃起しろ」と命令される
  3. 陰茎に血液が集まって勃起する

EDはこの仕組みの中のどれかが欠けることで発症します。

※参考:日本性機能学会「ED診療ガイドライン第3版」

EDの主な症状はこちらです。

EDの主な症状
  • 勃起しない、または勃起しにくい
  • 勃起しても硬さが不十分で挿入が困難
  • 性行為中に勃起が維持できず、途中で萎えてしまう
  • 性的刺激に対する反応の鈍化
  • 勃起回数や朝勃ちの頻度の著しい減少
  • 性的欲求(リビドー)の減退

上記の症状はあくまで一般的なもので、EDを発症する原因によっても症状が細かく異なります。

EDとは全く勃起しないという症状だけを指すのではなく、「朝立ちの回数が減った」「昔よりも硬さが足りない」「維持できない」といった症状がある場合もEDの可能性があります。
これらの症状が継続的に発生する場合は、EDの可能性やより深刻な健康問題のサインの場合があるため、専門医への相談が推奨されています。

EDを発症する原因は器質的(身体的)要因、心因的要因、薬剤的要因、それらが混合している要因の大きくわけて4種類です。

EDを発症する原因は主に4種類

  • 器質的(身体的)要因・・・持病やホルモンバランスの異常など
  • 心因的要因・・・精神的な問題
  • 薬剤的要因・・・服用している薬剤が原因
  • 複合的な要因・・・器質的+心因的な原因

それぞれの原因について具体的に解説します。

器質性EDは持病やホルモンバランスの異常が原因

器質性EDとは、体の病気や構造による何らかの障害が原因で、勃起が上手くいかない状態を指します。

器質性EDの特徴

  • 自慰でも勃起しにくい
  • 朝立ちがほとんどない
  • 症状が段々と悪化している
  • 糖尿病・高血圧・高脂血症などの持病を患っている
  • 喫煙者/肥満体型
  • 手術歴や神経系の病気がある
  • 性欲そのものが落ちてきている

器質性のEDは、血管や神経、男性ホルモンの問題によって生じます。
生活習慣病や加齢が関与しやすいのが器質性EDの特徴です。

器質的要因のEDは自分で治すきっかけを見つけるのが難しく、医療機関での治療や検査が必要になります。

器質性EDを発症する主な原因

■血管の障害(血流の低下)・・・中高年に多く生活習慣病が背景にあることが多い

勃起は血流によって引き起こされるため、循環器系の問題はEDの主要な原因となります。
高血圧、動脈硬化、心疾患などの血管系疾患は、陰茎への血流を妨げ、勃起機能に障害をもたらします。

循環器系の問題EDへの影響発症リスク
高血圧血管内皮機能障害、血管の弾力性低下通常の2倍
動脈硬化陰茎動脈の狭窄、血流減少通常の3倍
冠動脈疾患全身の血管障害の一部としてのED約75%が経験
高コレステロール血管内皮機能障害、プラーク形成通常の1.5倍
代謝症候群複合的な血管リスク要因通常の2.6倍

■神経の損傷や疾患・・・事故や持病のある人、泌尿器手術の経験がある人に多い

勃起には自律神経系が重要な役割を果たしています。
性的刺激が脳から陰茎に伝わる神経がうまく働かないと、勃起指令が出せなくなるため、勃起機能に障害をもたらします。

神経系由来のEDの主な原因
  • 脊髄損傷:損傷部位によって勃起能力が影響を受ける
  • 多発性硬化症:中枢神経系の脱髄により性機能障害を引き起こす
  • 糖尿病性神経障害:血糖値の長期的な高値により神経が損傷
  • パーキンソン病:ドーパミン産生の低下が性機能に影響

■ホルモンバランスの異常・・・加齢や慢性的なストレス・甲状腺機能障害・ホルモン疾患が関係

テストステロンなどの男性ホルモンは性欲・勃起の持続力に重要な役割を果たします。
加齢や甲状腺機能障害、糖尿病などによりホルモンバランスが崩れると、そもそも性欲が湧かず、反応も弱くなるのです。
糖尿病患者の約40~60%がEDを発症するといわれています。

男性ホルモンの低下は50歳を過ぎると年間約1%ずつ減少しますが、若年層でもストレスや生活習慣により減少することがあります。

心因性EDは精神的な問題が原因

EDの約30%は心理的要因が主な原因とされています。
心理的要因によるEDは特に若年層に多く見られます。
心因性EDは、メンタル面のプレッシャーやストレス、トラウマやパートナーとの関係性の影響を強く受けていることが多いです。

心因性EDの特徴

  • 朝立ちはある → 身体的には問題がない
  • 一人ではできるが、パートナーの前だと反応しない
  • セックスの「前」から緊張してしまう
  • 最初は大丈夫だったのに、途中で萎える(中折れ)

心因性EDは過去のトラウマやプレッシャーによる「気にしすぎ」「自信喪失」がEDを発症する原因となっています。
心理的にダメージがあることによって自律神経が乱れることで交感神経が優位な状態になり、陰茎への血流が不足することによって勃起機能が正常に働かなくなることでEDが起きます。

心因性EDの場合、メンタルが整えられらたりストレスの原因となる環境が変化することが治るきっかけになりやすいです。

心因性EDを発症する主な原因

■パートナーとの関係が良くない・・・精神的な距離が広がっている状態

  • 愛情や性的魅力を感じなくなっている
  • 相手の要求が高くプレシャーがある
  • 喧嘩が続いている
  • 性的嗜好の違い
  • 性交のマンネリ化
  • 否定的な反応

パートナーとの関係性の問題はEDの重要な心理的要因となります。
コミュニケーション不足、性的嗜好の不一致、信頼関係の欠如などがEDを引き起こすことがあります。

■自信の低下・過去のトラウマ・・・男性としての自信が揺らぐことで性への恐れが勃起を妨げる

  • まただめだったらどうしようという失敗体験のトラウマ
  • 年齢による自信喪失
  • 性的な行為に対する羞恥心

■心理的ストレス・緊張・・・緊張や焦りが交感神経を働かせ勃起を妨げる

  • 仕事のプレッシャー
  • 家庭のトラブル

ストレスや不安は自律神経系のバランスを崩し、勃起機能を阻害します。
仕事や経済的問題によるストレスは交感神経を優位にし、血管収縮をもたらします。
また、性行為時のパフォーマンス不安「うまくいかないかもしれない」という恐れは、実際に勃起を妨げる悪循環を生み出します。

高いストレスレベルを抱える男性は、低いストレスレベルの男性と比較してEDのリスクが約1.5~2倍高いとされています。

薬剤性EDは服用している薬剤が原因

持病で服用している薬剤の種類によっても、EDを発症する原因となる場合があります。

EDを発症するリスクのある薬剤

  • 降圧剤(β遮断薬など)
  • 抗うつ薬・抗不安薬
  • 前立腺肥大治療薬(5α還元酵素阻害薬)
  • 抗てんかん薬・抗精神病薬

上記のような薬剤は神経や血流に影響を及ぼす作用があるため、勃起機能を低下させることがあります。
これらの薬剤を服用してからEDの症状が見られた場合は、薬剤性EDの可能性が高いです。

混合性EDは器質的+心因的な原因

混合性EDは、身体的な要因と心理的な要因の両方が関与してEDを発症しているパターンです。
実際に中高年層では、このタイプが多いとされています。
例えば身体的な疾患や衰えから性行為が上手くいかない経験をし、その後「また上手くいかなかったらどうしよう」というプレッシャーや精神的なダメージから、結果としてEDを発症するといったパターンが多くあります。

軽度の器質的要因が、精神的なダメージを引き起こしてEDの症状が悪化していくというのが混合性EDのよくあるパターンです。

混合性EDの特徴

  • 朝立ちや自慰行為はできるときもあればできない時もある
  • EDの症状が失敗などをきっかけに急激に悪化する
  • 勃起のコンディションが日によって違う
  • 持病とパートナーとの関係の問題がどちらもある

混合性EDは、日によって勃起のコンディションに差があるのが特徴です。

20代・30代・40代・50代の年代別のEDの原因と特徴

年代別に見るEDの原因と特徴

EDは年齢を問わず発症する可能性がありますが、年代によって原因や症状の特徴が異なります。若年層では心理的要因が多く、加齢とともに身体的要因の割合が増加する傾向があります。年代別の特徴を理解することで、自分に合った対策や治療法を見つけやすくなります。

20代以下(若年層)に多いED発症の原因

10代〜20代のEDの主な原因は心理的要因が約80%を占め、身体的要因によるものは比較的少ないとされています。

10~20代は身体は健康で男性ホルモンの分泌も盛んな傾向にあるため、性への経験不足やプレッシャー、AVの依存、ストレスといった精神的要素が強く影響してEDになる傾向にあります。

原因 具体的な例
パフォーマンス不安 「うまくできるか」という過度な心配
初体験への不安 経験不足からくる緊張や恐れ
自己肯定感の低さ 自分の体や能力への否定的な認識
過去の失敗体験 以前の性的失敗によるトラウマ
過度な期待 メディアやポルノからの非現実的な期待
対人関係の問題 パートナーとのコミュニケーション不足
学業/就職ストレス 将来への不安や学業プレッシャー
アイデンティティの問題 性的指向や性的嗜好への不安
過度なポルノ視聴の影響

過剰なポルノ消費は脳の報酬系に影響を与え、ドーパミン受容体の感受性を低下させることで、現実のパートナーに対する性的反応が鈍くなる可能性があります(「ポルノ誘発性勃起不全」)。週に7時間以上ポルノを視聴する男性はEDリスクが約2〜3倍になるという見方もあります。

改善策としては、ポルノ視聴の頻度を減らすことや、断ち切る期間を設けることが効果的です。

30代・40代に多いED発症の原因

30代・40代のEDは心理的要因と身体的要因が混在しているケースが多いです。
責任ある立場や家庭環境の変化、生活習慣病の発症が重なることがED発症の原因となります。
30代のED有病率は約25%、40代では約35〜40%と考えられています。

生活習慣病との関連性

30代・40代のEDは生活習慣病との関連性が強く表れ始める年代です。
高血圧、脂質異常症、糖尿病などの生活習慣病はEDの重要なリスク要因となります。

生活習慣病とEDの関連
生活習慣病 EDへの影響メカニズム ED発症リスク増加率 予防・改善策
糖尿病 血管障害、神経障害、テストステロン低下 2〜3倍 血糖コントロール、定期検査
高血圧 血管内皮機能障害、動脈硬化促進 1.5〜2倍 減塩、DASH食、適度な運動
脂質異常症 血管プラーク形成、NO産生障害 約1.8倍 オメガ3摂取、トランス脂肪制限
仕事のストレスとEDの関係

30代・40代は仕事の責任が増す時期であり、仕事のストレスがEDの重要な要因となります。長時間労働、過剰な責任、職場での人間関係の悩み、仕事の不安定さ、ワークライフバランスの乱れなどによるストレスは勃起機能に悪影響を与えます。

仕事関連のストレスがEDを引き起こす主な要因
  • 長時間労働:慢性的な疲労と休息不足を引き起こす
  • 過剰な責任:常に高いプレッシャー下に置かれることでストレスホルモンが増加
  • 職場での人間関係の悩み:対人関係のストレスは自律神経に影響
  • 仕事の不安定さ:解雇や失業への不安は慢性的なストレスの原因となる
  • ワークライフバランスの乱れ:家庭と仕事の両立に関するストレスが増加

50代以上に多いED発症の原因

50代以上の男性がEDを発症するのは、心理的な原因よりも身体の機能低下によるものが約80%を占めます。
加齢に伴う血管機能の低下、ホルモンバランスの変化、慢性疾患の増加などが主な原因です。

50代のED有病率は約45〜50%、60代では約60〜70%、70代では約70〜80%と考えられています。
この年代のEDは「自然な老化現象」と諦めるのではなく、適切な治療により改善できる可能性が高いことを認識することが重要です。

50代以上のEDに多い加齢に伴うホルモンの変化

50代以上の男性ではテストステロンなどの男性ホルモンが徐々に減少することによって、EDの原因となることがあります。
男性ホルモンのテストステロンは40歳以降、年間約1〜2%ずつ減少するとされています。

血中テストステロン値が正常下限以下の男性は、正常値の男性と比較してEDのリスクが約2倍高いと考えられているため、50代以上男性は加齢に伴う男性ホルモンの減少によって性欲低下や勃起力の衰えが見られやすいのです。

EDになりやすい人の生活習慣や特徴

EDになりやすい人の性格の特徴や年齢、生活習慣についてまとめました。
自身が該当する場合は事前に対策を行うと効果的です。

EDになりやすい人の特徴
特徴 具体的な例
【性格】精神的に不安定 ・完璧主義
・自己肯定感が低い
・緊張を感じやすい
【年齢】 40代以降の男性
【生活習慣】不規則な生活 ・食生活が乱れている
・運動不足
・喫煙や飲酒の習慣がある
【持病】慢性疾患を患っている 糖尿病や高血圧、心臓病などの既往歴がある
性格・・ストレスを溜めやすい人

EDになりやすい人の特徴として、ストレスを溜めやすい人が多い傾向にあります。
ネガティブで他人の目を気にしやすい人、感情が表に出にくくストレス耐性が弱い人は心因性のEDを発症しやすいです。

年齢・・・40代以降

EDを発症しやすい年代は40歳以上の男性が多い傾向にあります。
40代以上の男性は身体的に自然な衰えによって、男性ホルモンの減少や血管の老化が起こりやすくなるため、全体的にEDを発症する割合が高い年代と言えます。

生活習慣が乱れている
EDになりやすい人の生活習慣

生活習慣が乱れている人は、血管障害やホルモンバランスの乱れが起きやすい ためEDになりやすいです。

・運動習慣がない

運動不足になると下半身の血管機能が低下し、テストステロンの分泌が滞るため、EDを発症する原因となります。
運動習慣のない男性は、週に150分以上の中程度の運動を行う男性と比較して、EDを発症するリスクが約30%高いことが報告されています。

・食生活が乱れている人

血管の健康を損なう食習慣はEDリスクを高めます。不健全な食事は動脈硬化を促進し、勃起に必要な血流を妨げます。

  • トランス脂肪酸の過剰摂取:マーガリン、ショートニング、市販の揚げ物、菓子類に多く含まれる
  • 精製炭水化物の多量摂取:白米、白パン、菓子類などの高GI食品が血糖値を急上昇させる
  • 高塩分食品:過剰な塩分摂取は高血圧の原因となり、血管に負担をかける
  • 過剰な赤身肉の摂取:飽和脂肪酸の摂りすぎは悪玉コレステロールを増加させる
  • 加工肉(ハム、ソーセージなど):保存料や添加物が血管内皮機能に悪影響を与える

上記のような血管や血流に負担が加わる食品を日常的に多く摂取している人は、EDになりやすい傾向にあります。
血管の健康を保つためには、加工食品や外食への依存度を下げ、自然な食材を中心とした食事を心がけることが重要です。

・喫煙習慣がある人

喫煙はEDの最も強力なリスク要因の一つです。タバコに含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、勃起に必要な血流を減少させます。
喫煙者はEDリスクが非喫煙者の約1.5〜2倍高いとされています。

・過度に飲酒をする人

アルコールとEDの関係は摂取量によって異なります。少量のアルコール(1日1~2杯程度)は血管拡張効果があり、短期的にはリラックス効果でEDを改善する可能性もあります。
しかし、過剰な飲酒は神経伝達機能を障害し、テストステロン産生を抑制するため、EDリスクを高めます。

・持病がある人

糖尿病・高血圧・高脂血症・心臓病などの持病を患っている人は、血管や神経系の障害を引き起こすことで器質性EDの原因になりやすいです。

EDが治るきっかけや改善策を4つの原因別に解説

「メンタルが原因なら解消すれば治るの?」「生活習慣を正せば治る?」「もう手遅れではない?」と考えている人に向けて、EDは自分で治すことやコントロールは可能なのか、EDの原因別に解説します。

器質性EDの改善策

糖尿病や心臓病など持病が原因で発症するEDの場合、自分で治すのは困難です。
病気の治療状況によってEDも改善する場合があるため、主治医に相談するようにしましょう。

生活習慣が原因でEDの症状が軽度の場合は、自分でコントロールできる場合もあります。

器質性EDが治るきっかけ

  • 病気の治療(糖尿病、高血圧など)
  • 生活習慣の改善(禁煙・食事・運動)
  • 薬物治療(バイアグラ、レビトラ、シアリスなど)
  • 泌尿器科・ED外来の受診

持病が原因でEDを発症した場合、病気の状況や医師の治療方針によってはED治療薬を処方してもらうことができます。
ED治療薬を服用すれば、直接的にEDの症状を改善することに繋がります。

心因性EDの改善策

ストレスやプレッシャーが原因で発症する心因性EDの場合、精神的な面を自分でコントロールできれば自分でも治すことが可能なことがあります。

パートナーと良好な関係になった、コンプレックスやストレスが改善された、刺激が強い自慰行為(オナニー)を止めたといったことが、心因性EDの治るきっかけとなります。
具体的にどのような行動が心因性EDの治るきっかけになるのか解説します。

心因性EDが治るきっかけ

  • 性に関するコミュニケーションの見直し
  • プレッシャーを感じない環境づくり
  • 専門家(泌尿器科・性機能外来・カウンセラー)への相談

パートナーとの関係を修復するためには、パートナーと一緒にカップルカウンセリングを受けたり、性だけに焦点を当てずにコミュニケーションやスキンシップを増やしたりすることが効果的です。

心因的EDは長期化すると悪化しやすい

心因性EDは思い込みや考え方を少しずつ変えることで改善しやすい一方、長期間放っておくとEDの症状が悪化する傾向にあります。
そのようなことを防ぐには早期にクリニックでED治療を受け、重症化する前に成功体験をすることがED改善の近道になります。

薬剤性EDの改善策

持病の治療薬が原因でEDを発症している場合、その薬を止めたり種類を変更したりするだけでも改善するケースがあります。

ただし、EDの症状があるからといって持病の薬を自分でやめるべきではないため、必ず主治医に相談してから決めるようにしてください。

混合性EDの改善策

身体的な原因と精神的な原因の両方が関与しているEDの場合、一方だけではなく「心」と「体」の両面からケアが必要になります。

混合性EDが治るきっかけ

  • 身体的アプローチ(器質性EDの対策)
    → 持病の治療や生活習慣の見直し
  • 心理的アプローチ(心因性EDの対策)
    → パートナーとの関係改善、成功体験の積み重ね

ED治療薬で成功体験を積み重ねると改善の近道になる

混合性EDの場合、原因が一つではないことが多いため自分で治るきっかけを見つけるのは難しいです。
ED治療薬によってまずは性行為の成功体験を積み重ねることで、精神的な負担が少なくなり、EDの改善の鍵になる場合があります。

ただし、持病によってはED治療薬の服用ができない場合もあるため、まずは持病の治療を受けている医師に相談するようにしましょう。

生活習慣を見直しがEDの治るきっかけとなる場合もある

生活習慣の改善はED治療の基本となります。
健康的な食事、適度な運動、禁煙、適正飲酒、ストレス管理などの生活習慣改善だけでも、軽度から中等度のED症状が30~40%改善するという報告があります。

生活習慣分野具体的な改善策期待できる効果実践のコツ
食事改善地中海式食事法、野菜・果物増量血管機能改善、NO産生促進加工食品削減、魚・オリーブ油増量
運動習慣週150分の有酸素運動、筋トレテストステロン増加、血流改善まずは毎日10分のウォーキング
睡眠改善7-8時間の質の良い睡眠ホルモンバランス調整就寝時間の規則化、ブルーライト制限
体重管理BMI 25以下の維持テストステロン回復、血管機能改善少量ずつの減量(月2kg程度)
ストレス管理瞑想、趣味の時間確保自律神経バランス改善毎日5-10分の深呼吸法
禁煙完全な禁煙血管機能回復禁煙外来の活用
適正飲酒日本酒1合程度/日緊張緩和(過剰摂取は逆効果)週2日以上の休肝日
骨盤底筋強化ケーゲル体操(1日3回)勃起維持力向上排尿中断テストで筋肉確認
デジタルデトックスポルノ視聴制限、スマホ使用制限脳の報酬系回復就寝前はデジタル機器を避ける

・運動不足を改善した

運動習慣がなかった方は、まずは1日10分程度のウォーキングから始め、徐々に運動量を増やしていくことが持続につながります。
過度な長距離走や高強度のサイクリングは逆にEDリスクを高める可能性があるため、適度な運動を心がけましょう。

・食生活を正した

オリーブオイル、魚、ナッツ類、豆類、野菜、果物を豊富に含む食事は血管の健康を促進し、EDリスクを約30%低減すると考えられています。

以下の食材や栄養素を積極的に摂ることで、EDが治るきっかけになります。

食品・栄養素勃起機能への効果主な含有食品推奨摂取量
オメガ3脂肪酸血管内皮機能改善、炎症抑制青魚、亜麻仁油、クルミ週2-3回の魚料理
リコピン血管保護、抗酸化作用トマト、スイカ、ピンクグレープフルーツ毎日のサラダや料理に
フラボノイドNO産生促進、血管機能改善ベリー類、柑橘類、ダークチョコレート毎日少量
アルギニンNO前駆体、血管拡張ナッツ類、豆類、魚、赤身肉週3-4回
亜鉛テストステロン産生促進牡蠣、牛肉、カボチャの種1日8-11mg

特に血流改善に効果的な食品として、ニンニク、玉ねぎ、サーモン、ナッツ類、緑黄色野菜などが挙げられます。
これらの食品はNO(一酸化窒素)の産生を促進し、血管拡張をサポートします。
また、亜鉛(牡蠣、牛肉、かぼちゃの種など)やL-アルギニン(豆類、魚、鶏肉など)を含む食品も男性の性機能をサポートします。

・喫煙・過度な飲酒をやめた

禁煙によるED改善効果は比較的早く現れることが多く、禁煙後2〜12週間で勃起機能の改善が見られることもあります。
アルコールは日本酒なら1合程度の適量にとどめておくことで、EDが治るきっかけとなります。

・質の良い睡眠を取るようにした

睡眠中にはテストステロン分泌が活発になり、特にレム睡眠中には陰茎海綿体への血流が増加します。
そのため、質の良い睡眠を取ることはED改善に重要な役割を果たすのです。

睡眠の質を改善するには、就寝前のリラックスタイムの確保、規則正しい睡眠スケジュール、寝室環境の整備(温度、騒音、光の管理)が効果的です。
睡眠時無呼吸が疑われる場合は、専門医の診断と治療を受けることで、睡眠の質とともに勃起機能も改善する可能性があります。

どの原因からくるEDも自然に治すことは難しい

EDは症状が軽度の場合は生活習慣の見直しやメンタルケアなど、要因に合った解決方法で改善する場合もあります。
ただし、EDは年齢が上がるにつれ、身体的な要因が増えたり、精神面でも自分でコントロールが難しくなったりするため、自然に治すことは難しいです。

自身できっかけを見つけて改善を期待するよりも、軽度の段階でEDの専門クリニックや持病の主治医に相談し、ED治療の提案を受けるほうが効率的にEDの改善に繋がります。

EDはいかなる原因でも早期治療が重要

EDの原因は様々ありますが、自身で治すきっかけやコントロールの方法を見つけるのは困難な場合が多く、長期間放置しておくと重症化するパターンが多いです。
そのため、できるだけ早い段階でEDの専門医へ相談するのがおすすめです。
早期に治療を開始することで効率的に改善することができます。

ED治療の主な内容
  • PDE5阻害薬(シアリス、バイアグラなど)
  • 陰茎注射療法
  • 真空吸引器具
  • 陰茎プロステーシス(人工器官)
  • 低強度体外衝撃波治療
  • ホルモン補充療法
  • 心理療法/カウンセリング
  • 生活習慣改善

PDE5阻害薬は最も一般的な治療法で、軽度から中等度のED患者の70〜80%に効果があるとされています。治療法の選択は、EDの原因、重症度、患者の年齢や健康状態などを考慮して行われます。

EDの症状がある際には、専門医に適切な治療法を相談しましょう。