EDは何科で受診できる?保険適用とクリニック選びの基本を解説
2025年12月24日
EDは勃起機能が低下した状態を指し、年齢に関わらず起こり得る症状です。
ED治療を始めるときは、どこの診療科で相談するべきか、受けられる治療の種類、保険適用の範囲を正しく理解しておくことが重要です。
EDの基本的な仕組みを踏まえながら、泌尿器科を中心とした受診先の選び方、主要な治療方法、保険制度の考え方、通いやすいクリニックの見極め方まで順番に説明します。
自分の症状に合わせて適切な診療科を選び、安心して治療を始められるようにしましょう。
EDとは?原因やセルフチェック法もわかりやすく解説
EDは勃起しづらい状態や維持しにくい状態が続く症状で、年齢にかかわらず起こり得ます。
治療を前向きに考えるためには、まずEDの仕組みや原因を理解し、自分の状態を整理することが大切です。
EDの基本的な定義と症状
EDは、性行為に必要な硬さが得られなかったり、その状態を維持しにくくなったりする変化が続く症状です。
勃起の立ち上がりが弱い場合だけでなく、途中で硬さが低下する日が増える場合や、良い日と悪い日が極端に分かれる場合もEDに含まれます。
勃起機能の変化は、心理的な要因や血流の低下、神経の働きの乱れなど複数の要因が関わることで起こります。
性的な満足度が下がる状態が続くとEDに分類されるため、違和感を早めに整理しておくことが受診判断の助けになります。
自分の症状の傾向を把握すると、必要な治療方法を選びやすくなり、改善への行動を取りやすくなります。
EDのセルフチェック方法
EDの可能性を整理するには、勃起の自信・硬さ・維持時間・満足度を客観的に確認するセルフチェックが役立ちます。
IIEF-5と呼ばれる国際的な評価尺度で、直近6か月間の勃起の状態を数値で確認するための指標です。
勃起の維持のしやすさや挿入可能な硬さ、満足度など点数化し、一定期間の状態を把握する方法として使われています。
| 1点 | 2点 | 3点 | 4点 | 5点 | |
|---|---|---|---|---|---|
| ① 勃起して、その状態を維持する自信はどの程度ありましたか? | まったく自信がなかった | あまり自信がなかった | どちらともいえない | ある程度自信があった | 十分に自信があった |
| ② 性的刺激によって勃起した時、どれくらいの頻度で挿入可能な硬さになりましたか? | ほとんど 全くならなかった |
たまになる | 時々なる | しばしばなる | ほぼいつも いつもなる |
| ③ 性交の際、挿入後にどれくらいの頻度で勃起を維持できましたか? | ほとんど 全く維持できない |
たまにできる | 時々できる | しばしばできる | ほぼいつも いつもできる |
| ④ 性交の際、性交を終了するまで勃起を維持するのはどれくらい困難でしたか? | 極めて困難 | とても困難 | 困難 | やや困難 | 困難ではない |
| ⑤ 性交を試みた時、どれくらいの頻度で性交に満足できましたか? | ほとんど まったく満足できなかった |
たまに満足できた | 時々満足できた | よく満足できた | ほぼいつも いつも満足できた |
参考:日本性機能学会/日本泌尿器科学会 『ED診療ガイドライン 第3版』
IIEF-5では、点数が低いほどEDの可能性が高くなります。
IIEF-5によるED判定区分
- 5~7点 → 重度のED
- 8~11点 → 中等症のED
- 12~16点 → 中等~軽症のED
- 17~21点 → 軽症のED
- 22~25点 → EDではない判定
総合点が21点以下であれば軽度から中等度のEDに分類され、自覚している以上に反応が弱くなっている可能性を確認できます。
性行為の回数が少ない場合でも、刺激への反応や硬さの変化を振り返ることで、勃起機能の傾向を整理することができます。
自身の状態を丁寧に振り返る習慣が、医療機関への相談や治療選択の判断に役立つ視点につながります。
EDの主な4つの原因
原因別の4つのED
- 心因性ED
- 器質性ED
- 混合性ED
- 薬剤性ED
EDは「心因性ED」「器質性ED」「混合性ED」「薬剤性ED」の大きく4つの原因に分けられ、それぞれの要因が勃起機能の変化に影響します。
ストレスによる勃起不良や、血流・神経のトラブル、薬の影響など、要因によってEDの症状の出方が異なります。
原因の種類を把握すると症状の背景を理解しやすくなり、適した治療方針にたどり着きやすくなります。
EDの原因については、別の記事でより丁寧に解説していますので、こちらも参考にしてください。
EDは何科で診てもらえる?受診先と治療方法を丁寧に解説
EDの治療を始めるときは、自分の症状をどの診療科で相談できるのかを正しく理解することが重要です。
受診先によって診察内容や治療方法が異なるため、症状に合う専門科と治療の選択肢を把握しておくと迷わず行動しやすくなります。
ED治療は基本的に泌尿器科で行われる
ED治療の相談先として最も適しているのは、男性の性機能や排尿のトラブルを専門的に扱う泌尿器科です。
泌尿器科では、血流の変化や神経の働き、ホルモンの影響など、勃起機能に関わる要素を総合的に確認できるため、原因の把握と治療方針の判断がしやすくなります。
糖尿病や高血圧などの生活習慣病が背景にある場合は内科での治療が先に必要になることがあり、強い緊張や心理的ストレスが症状に影響している場合は精神科や心療内科でのフォローが有効なケースもあります。
複数の要因が絡む症状でも、泌尿器科を起点に相談すると必要な検査や他科との連携が取りやすく、治療の進め方を整理しやすくなります。
受診先の選択肢を理解しておくと、自分の症状に合った専門科につながりやすくなり、治療を前向きに始めるための判断につながります。
ED治療の種類とそれぞれの特徴
EDの治療方法は、内服薬・体外衝撃波治療・陰茎海綿体注射など複数の選択肢があり、原因に応じて使い分けます。
内服薬ではシルデナフィル(バイアグラ)、バルデナフィル(レビトラ)、タダラフィル(シアリス)といったPDE5阻害薬が代表的で、勃起に必要な血流を保ちやすくする作用が期待できます。
血流障害が強い場合には低出力の体外衝撃波を当てて血管の働きを整える治療が利用されることがあり、内服薬の効果が乏しい場合には陰茎海綿体へ薬剤を注射して反応を補う方法が選ばれることがあります。
治療方法は症状の原因や生活背景によって適した選択肢が変わるため、医師による評価を受けることで、自分に合った治療プランが決まりやすくなります。
複数の治療方法を比較しながら選択すると、負担を抑えつつ改善につながる取り組みを進めやすくなります。
ED治療が初めての方は薬剤治療
ED治療の中でも取り入れやすい方法が薬剤による治療で、幅広い原因に対応しやすい点が特徴です。
PDE5阻害薬と呼ばれる内服薬は、陰茎海綿体の血流を高めて勃起の維持を助ける作用があり、シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルなど複数の選択肢があります。
服用のタイミングや効果の持続時間に違いがありますが、症状の傾向に合わせて薬剤を選ぶことで、自然な勃起反応を得やすくなるケースが多く、初めて治療を受ける人でも取り入れやすい方法です。
ほかの治療方法と比べて負担が少なく、日常生活との両立がしやすい点も薬剤治療のメリットに挙げられます。
医師と相談しながら適した薬剤を選択すると、無理のない形で治療を始めやすくなり、改善を実感しやすい治療計画を立てられます。
ED治療は保険適用になる?保険適用になる条件と費用相場
ED治療を検討するときは、公的保険が使えるかどうかを理解しておくことが重要です。
治療内容によって保険の扱いが大きく変わるため、保険適用の条件と自由診療で必要になる費用の相場を整理しておくと判断しやすくなります。
ED治療薬が保険適用になる条件・基準
ED治療が保険適用されるのは、不妊治療に必要な勃起機能の改善として薬剤が使われる場合であり、複数の条件を満たすことが前提です。
ED治療薬が保険適用になる条件
- 泌尿器科で5年以上の経験を持つ医師が処方を行うこと
- ED診療ガイドラインに基づき、医師が「勃起不全」と診断していること
- 本人またはパートナーが6か月以内に不妊治療を行っていること
保険適用には、泌尿器科で5年以上の経験を持つ医師による処方、不妊治療を担当する医療機関との情報共有、ED診療ガイドラインに基づく勃起不全の診断、本人またはパートナーが6ヶ月以内に不妊治療を受けていることなどが求められます。
処方できる薬剤は1か月あたり4錠以下に限定され、保険適用期間は6ヶ月が基本とされ、処方箋には保険診療である旨の記載が必要です。
これらの基準を満たすことで、不妊治療の一環としてED治療薬を適切な範囲で利用でき、経済的な負担を抑えながら治療を進められます。
制度の条件を理解しておくと、不妊治療と併行したED治療の進め方を判断しやすくなります。
ED治療薬が保険適用にならないケース
ED治療薬が保険適用にならないのは、不妊治療と直接関係のない目的で勃起機能を改善したい場合です。
ED治療薬が保険適用にならないケース
- ただ勃起機能を改善したい場合
- 性生活の満足度を上げたい場合
- 不妊治療以外の目的である場合
性生活の満足度向上やパフォーマンスの強化を目的とした治療、単に勃起機能を回復させるだけの治療などは、治療効果が生活の質に関わるものであっても公的保険の対象には含まれません。
血流の変化や心理的要因によるEDが該当することが多く、治療薬の処方を希望する場合は自由診療として費用を自己負担で支払う形が一般的です。
不妊治療以外の目的でED治療薬を利用するケースが大半を占めるため、費用面を事前に把握しておくことが治療計画の検討に役立ちます。
保険適用の対象外となる仕組みを理解すると、自分の症状に合う診療方法を選びやすくなります。
自由診療クリニックのED治療薬の費用相場
保険適用されず、ED治療を一般的に受ける場合は自由診療となり、薬剤ごとに相場が大きく異なります。
先発薬ではバイアグラが1錠あたり約1,300円〜2,200円前後で、タダラフィルを有効成分とするシアリスは約1,500円〜2,200円前後、レビトラの有効成分であるバルデナフィルは約1,000円〜1,800円前後が目安になります。
| 薬剤名 | 先発薬の相場 | ジェネリック薬の相場 |
|---|---|---|
| バイアグラ (シルデナフィル) | 1,300円〜2,200円 | 400円〜1,200円 |
| シアリス (タダラフィル) | 1,500円〜2,200円 | 800円〜1,600円 |
| レビトラ (バルデナフィル) | ※現在は生産停止中 | 1,000円〜1,800円 |
ジェネリック医薬品を選択すると、シルデナフィル錠が約400〜1,200円前後、タダラフィル錠が約800〜1,600円前後と先発薬より価格が抑えられ、費用面の負担を軽減しながら治療を続けられます。
薬剤ごとの特徴や価格差を理解して選択すると、治療目的と予算のバランスを取った計画が立てやすくなります。
複数の薬剤から比較検討する姿勢が、自分に合う治療を無理なく続けるための判断材料になります。
ED治療のクリニックの選び方!知っておきたい大切なポイント
ED治療を始める際は、自分に合ったクリニックを選ぶことが治療を続けやすくするうえで重要です。
受診方法や対応範囲が医療機関ごとに異なるため、通いやすさやプライバシーへの配慮など複数の視点から比較すると判断しやすくなります。
ED治療はどこでできる?
ED治療を受けられる場所は、泌尿器科を中心とした病院、自由診療のクリニック、オンライン診療など複数の選択肢があります。
ED治療を受けられる場所
- 泌尿器科を中心とした病院
- 自由診療のクリニック
- オンライン診療
病院(泌尿器科)では、ED以外の基礎疾患の有無や全身状態を含めて総合的に診断でき、必要に応じて血液検査や心血管リスクのチェックを行いながら治療を進められます。持病がある人や安全性を重視したい人に向いています。
自由診療クリニックでは、診察や薬の受け取りがスピーディーで、検査が不要なケースでも相談しやすい体制が整っていることが多く、薬の種類も幅広く扱われています。
オンライン診療は通院の手間を減らしやすく、自宅で医師の診察を受けられるため、周囲の目が気になる人や仕事が忙しい人にとって負担を軽くできます。
受診先の特徴を把握すると、自分の症状や生活環境に合わせて治療を始めやすい場所を選べるようになります。
ED治療のクリニックを選ぶ際のポイント
ED治療を受ける医療機関を選ぶときは、診療体制やプライバシー配慮など複数の視点から確認することが大切です。
ED治療のクリニックを選ぶ際のポイント
- プライバシーに配慮されているか
- 扱っているED治療薬の種類が十分にあるか
- 夜間診療やオンライン診療など、通いやすい体制が整っているか
受付から診察までの導線が分かりやすく、名前を呼ばれる場面が少ない体制であれば、人目を気にせず相談しやすくなり、初めての受診でも負担を感じにくくなります。
医療機関によってはED治療薬の種類が異なり、シルデナフィル・バルデナフィル・タダラフィルなど複数の薬剤を扱う場所ほど、自分の症状に合う治療が見つかりやすくなります。
夜間診療やオンライン診察に対応している医療機関を選ぶと、仕事や家庭との両立がしやすく、治療を続けやすい環境が整います。
複数の条件を組み合わせて比較すると、自分に合った治療を安心して受けられる医療機関にたどり着きやすくなります。
ED治療にはオンライン診療がおすすめ
オンライン診療はED治療を始めやすい方法で、対面受診に抵抗がある場合でも自宅から医師の診察を受けられる点が大きな利点です。
スマートフォンやパソコンで診察を受ける仕組みのため、待合室で他の患者と顔を合わせる場面がなく、周囲に知られることへの不安を軽くできます。
オンライン診療では、シルデナフィル・タダラフィル・バルデナフィルなど主要なED治療薬を取り扱う医療機関が多く、薬の種類や費用を事前に確認できるため、治療計画を立てやすくなります。
予約から診察、薬の受け取りまでを短時間で完結できる体制が整っている医療機関が増えており、忙しい人でも負担を抑えて治療を継続しやすい点が魅力です。
対面診療と比べて柔軟に利用しやすい特徴があるため、治療を始めたいと感じたタイミングで行動しやすい方法として選択肢に加える価値があります。
ED治療を始めやすいオンライン診療サービスの選び方やおすすめについては、こちらの記事で詳しく紹介しています。
EDを改善して、パートナーとの時間をよりよい状態に戻したい方や、性行為の満足度を改善したい方はご覧ください。
ED治療を前向きに進めるために後悔しない選択を
EDは原因や症状の幅が広く、適した治療方法を選ぶためには正しい知識と自分の状態の整理が欠かせません。
受診先や治療薬の種類を比較しながら、自分の生活に合う形で治療を続けられる環境を選ぶことが改善への近道になります。
通院の負担や人目が気になる場合でも、医師の診察を受けながら進められる選択肢が用意されているため、治療を始めるハードルは大きくありません。
安心して治療を進めたいと感じたタイミングで、オンライン診療で気軽に相談してみてください。
参考文献
- 日本性機能学会/日本泌尿器科学会『ED診療ガイドライン 第3版』https://www.jssm.info/guideline/files/EDguideine03_s.pdf
- Cleveland Clinic “Erectile Dysfunction (ED): Causes, Diagnosis & Treatment” https://my.clevelandclinic.org/health/diseases/10035-erectile-dysfunction
- MSDマニュアル家庭版「勃起障害(ED)」 https://www.msdmanuals.com/ja/home/…/勃起障害-ed
- 社会福祉法人 恩賜財団 済生会「勃起障害(ED)はこんな病気」 https://www.saiseikai.or.jp/medical/disease/erectile_dysfunction/
- Rahman et al., “Erectile Dysfunction: Causes, Diagnosis and Treatment”, 2022(PMC論文) https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC9657711/


